脱原発方針撤回/Changing Nuclear Power Policy

 今朝の朝日・日経・東京の朝刊各紙に、スウェーデンが脱原発路線を撤回するとの記事が載っていました(→朝日、→日経、→東京)。スウェーデンの脱原発政策といえば、スリーマイル島の原発事故をきっかけに反原発の気運が高まり、1980年に国民投票の結果を受けて、新たな原子力発電施設の建設をしないことと、2010年までの原発全廃という決定がなされたのです。その後、2010年という期限は撤回されたようですが、新設はしないという方針は維持していたのです。しかし、今回、新たな設備を建設できるという法案が可決される見込みだというのです。
 地球温暖化が問題となっている現在のエネルギー源として、原子力は必要だという認識になったようです。風力、バイオマスなどの自然エネルギーの開発は行っているものの、原子力に取って代わるだけの発電量が確保できる見込みが立っていないということでしょう。1980年とは温暖化問題の取り上げられ方も全く違っていますしね。スウェーデン流のプラグマティズムとでも考えるべきでしょう。発電の割合を見ても原子力約45%、水力45%と、発電の中心を原子力が担っているわけですからね。
 昨年、スウェーデンにいたとき、職場の人たちと原発の話をよくしたものです。必ず話題に出てくるのはスリーマイル島やチェルノブイリの事故のことでした。日本には原発がいくつあるのかと聞かれたこともあるのですが、残念ながら僕はそこまでの知識を持ち合わせておらず、彼らの原発問題の意識の高さを感じたものでした。この脱原発の方針はスウェーデンの環境先進国としての看板的な方針であったので、個人的にはちょっとがっかりなんですけどね。2020年までに化石燃料に依存しない社会を作るという「脱化石燃料宣言」も反故にされなければいいなあと思っています。

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1000本のバナナ/1000 bananas

 シェレフテオ市のホームページで面白い見出しを発見。その見出しは、「1000本のバナナでどこまで行けるのか?(→リンク)」というもの。そのページを開いて見てみると、シェレフテオ市が参加している「ゴミをエネルギーに」キャンペーンの紹介でした。スウェーデンではごみ焼却場でのゴミ発電(暖房の熱源となる熱湯も)、下水道の汚泥や家庭からの生ゴミなどから自動車用バイオガスを製造しているのです。以前に何度か紹介したように、シェレフテオ市では生ゴミを使ったバイオガス製造に積極的に取り組んでいることから、スウェーデンで行われているこのキャンペーンに参加してるのでしょう。
 その詳しい内容を見てみると・・・
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あなたは知っていますか?
 毎年2.1百万トンの廃棄物が暖房や発電などのエネルギー生産に利用され、化石燃料の節約になっている。これはスウェーデン人一人あたり換算では、毎年239キログラムに相当する。
・紙おむつ1000個からは59kWhの発電ができ、これは5,900時間の照明(低電力電球での)に相当する。
・1000個の(捨てられる)スニーカーから2,079kWhの暖房ができ、これは1か月以上の暖房に相当する。
・1000個分のじゃがいもの皮から自家用車が1.2km走るだけのバイオガス燃料ができる。
・バナナの皮1000本分では、(バイオガス燃料によって)自家用車で100km近く走れる。

ゴミは、だたのゴミじゃないのです。なので、よく分別してゴミを出してください。そうすれば街がきれいになるだけじゃなく、地球の資源を有効に使えるのです。
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なぬーー。バナナの皮1000本で秩父から東京まで行けちゃうってことか。恐るべしバナナの皮、いやバイオガス。バナナダイエットで大騒ぎしてる場合じゃないで。

※過去の書き込み(バイオガスシリーズ その1その2その3その4

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炭酸水禁止/Kolsyrat vatten förbjuds

 スウェーデン語が十分でない僕くらいのレベルでも読めるレットレスト(lättläst)と呼ばれる平易なスウェーデン語で書かれた本やウェブページがあるのですが、「8 SIDOR」というニュースサイトは割と有名です。スウェーデン語を忘れないために僕もたまに見ているのですが、この前、面白いニュースを見つけました。
 政治家が会議している映像がテレビで流れると、かならず机にはミネラルウォーターのボトルが置いてあったりしますが、これをやめようという取組がヨーテボリ市で始まったというのです(→リンク)。ニュースの見出しは「ヨーテボリ市で炭酸水が禁止に」というものですが、スウェーデンで一般的なミネラルウォーターというと「LOKA」や「Ramlösa」が一般的ですが、ほとんどが炭酸入りです。なので、「炭酸水」というより「ボトル入りミネラルウォーター」を公用会議などで使うことが禁止になったという意味なのです。
 この記事によると、ヨーテボリ市は昨年中に39,000リットルのミネラルウォーターを購入しており、342,000クローナ(約580万円)もかかっているそうです。水質もよく、水資源が豊富なスウェーデンの水道水を使わずに、ボトル入りのミネラルウォーターを買っているのは、二酸化炭素を排出し環境にも良くないため、これを水道水に切り替えるというものらしいです。この規則は10月1日から施行されるのだという。ヨーテボリ市にあるScandinaviumという多目的ホールでコンサートを行うアーティストもその例外ではなく、水道水がふるまわれるようです。
 これには事業者側などからは反対意見も出るでしょうが、環境という2文字を宣言してしまうと反論がむずかしいご時世ですもんね。僕もこの手のミネラルウォーターでフレバー入りのは好きだったりします。もともとミネラルウォーターには、水を輸送して二酸化炭素を排出し、環境にやさしくないという意見も多かったので、その流れに乗ったものなんでしょう。日本でも同じようなことを始める自治体がでてきてもおかしくないですね。

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野外教育/Outdoor Education

 久々にスウェーデン大使館へ行ってみた。というのも、スウェーデンのリンショーピン大学の教授が来日していて、環境教育(野外教育)についての講演会があるというのだ。2人の先生方が講演をしたのだが、1人は小児科医の先生で、もう1人は生物学者(たぶん)で、野外教育を受けた子供がどのような効果があるのかというのを、科学的に研究しているらしい。
 初めに話をした小児科医の先生が言うには、現代社会はストレスを感じる人が増加しており、長く続くストレスによって心身が健康でなくなり、情緒が不安定になったり、肥満や糖尿病、高血圧、睡眠障害、免疫障害が起こりうるのだという。特に子供のころにストレスが多かったり、愛情を受けて育たないと心身の成長に悪影響を及ぼすのだそうだ。ストレスが高まるとコルチゾール(→ウィキペディア)という物質が分泌されて、その量でストレスの度合いがわかるらしく、野外教育を受けた子供はコルチゾールの濃度が低下する(ストレスが緩和される)という効果があり、子供の情緒安定などに効果があるのだそうだ。
 もう一人の先生も、野外教育には好奇心、創造性、協調性を養う効果があり、未就学の子供のうちから始めることが良いと言っていた。小さいときに自然に触れておくと、大人になってから環境を大事にするようになると言っていた。実はこれは、スウェーデンにいるときにある人から言われたことと一緒だった。野外教育には特別の道具を必要とせず、自然の中にあるもの(植物とか)を使えば良いのだそうだ。そして、野外での学習(自然体験)と教室内での学習(調査など)を組み合わせるのが効果的なのだそうだ。
 終わったあとに、先生が日本では野外教育はどのような状況なのかと質問してきたが、参加者の一人は、日本では小学校の体験学習などで環境学習を取り入れようとしているが、教育する先生方がどのように教えてよいのかわからないのだという。やはり、どこでも似たような問題を抱えているんだなあ。でも、最近はスウェーデンでもそういう問題はあるそうで、大人自身が自然体験が豊富ではないので、教え方をテキストにして出版しているのだという。
 まあ、今回はいろんな意味で収穫がありましたが、つまるところ
・野外教育は心にも体にも良いことが、医学的にもある程度証明されている。
・野外教育は子供が小さいうち(未就学児)から始めた方が良い。
・野外教育は自然にあるものを使って、手で触れたり、体を使ってやるとよい。
・野外教育をやるには大人自身も教え方を学ばなければならない。
こんなとこでしょうか。

※参考に以前の環境教育の書き込み(→

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バイオガスの値段/Price of Biogas

 またまたバイオガスの話題です。前にも何度か、バイオガスについては触れていますが(→リンク)、もう一度おさらいを・・・。スウェーデンでは公共バスなどの燃料にバイオガスが利用されているのですが、スウェーデン国内にある100か所以上のバイオガス製造施設は下水道処理施設の汚泥を利用しているものが多いのです。それに加え最近は、家庭から出る生ゴミや、と殺場から出る家畜の内臓などの廃棄物などをメタンガスにして燃料に使うという取組も増えています。もともと、生ゴミはごみ焼却場で燃やしていたので、きちんと分別してもらえばバイオ燃料として再利用されるだけでなく、焼却するごみも減るので一石二鳥なのです。
 シェレフテオ市のバイオガス施設も、生ゴミを使ったものなのですが、燃料の販売価格は石油の時価を参考にして、それより安くなるように戦略的な値付けが行われているそうです。シェレフテオ市のHPを見たら、バイオガスの販売価格が改定されたとの記事が出てました(→リンク)。ガスっていうくらいなのでもともとは気体なのですが、それを加圧して液化したものを自動車のタンクに給油ならぬ給ガスするようになっています。ガス1立方メートルの単価が12.14クローナなのですが、これをガソリン1リットルと同じエネルギーに換算すると10.93クローナなのだそうだ。10.93クローナ・・・1クローナを17円で換算して約185円程度・・・、結構割安ですね。ガソリンの時価がちょっと分からないですが、今の日本のガソリン価格と比べても悪くない値段です。(スウェーデンでは炭素税がかかるので、ガソリン価格は日本より高いです。)
 スウェーデンでもバスや公用車にはバイオガスで走る車は普及しているものの、自家用車はまだ少ないと思うので、燃料が売れまくるということではないでしょうが、スウェーデンでさえバイオエタノールの大部分はフランスはブラジルなどからの輸入に頼っているのですから、自給できるバイオガスはバイオエタノールよりエコ度が高いはずですよね。供給量の課題はあるでしょうが、石油代替燃料の一端を担うバイオガス・・・悪くないっすよ。

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やっぱりバイオガス

 そういえば、生ごみなどから作るバイオガスのことが先日のテレビ番組で放映されたらしく、検索でこのブログを見てくれる人が増えています。それと、ある方から連絡があり、熊本県阿蘇市の広報誌にこのブログのバイオガスの記事を引用させてくれとの依頼があり、快くお引き受けした次第です。阿蘇市の広報がPDFで見られますので(→リンク)どうぞご参考に。阿蘇市の広報誌にシェレフテオの紹介が載るなんて、光栄ですね。
 バイオ燃料の話題は尽きませんが、食料から作るバイオ燃料は完全に悪者になってますし、木材や稲わらからの方法は一般化するにはもう少し時間がかかりそうですし、材料自体を収集する問題や量の問題もあるでしょうから、生ごみからバイオ燃料が作れるのなら都会も田舎も問わず現実的な選択肢でもあるのかなという気がしています。の割には日本ではあまり騒がれていないですけどね。この生ごみからバイオガスを作る施設は、バイオガスのほかにも残った残渣はペレット状の肥料にもなるので、値上がりする肥料の対策にも一役買うのではないかなぁ。 

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バイオガス・バス/Bio-gas bus

 シェレフテオ市に昨年完成した生ゴミからバイオガスを製造する施設のことは紹介しましたが(→リンク)、このバイオガスを使って走るバスを何台か見かけるようになりました。スウェーデンの他の街ではバイオガスで走るバスはかなり普及していますが、シェレフテオではこれから本格的に普及させる計画です。スウェーデンの他のバイオガス施設は、下水処理場の汚泥を原料にしたものが多いのですが、シェレフテオの施設の特徴は家庭からの「生ゴミ」が原料というところがポイントです。下水処理場の汚泥の場合には市民もあまり意識しないと思いますが、生ゴミとなると毎日の生活で分別をするなど意識せざるをえないという効果もあるでしょう。
 バスの後ろには、「このバスは環境意識の高いシェレフテオ市民によって動いています」と書かれています。バイオガス施設に運ばれるようにするためには、生ゴミは専用の袋に入れて出さなければなりません。その辺りの啓発と宣伝も含めて、大きく書かれているのでしょう。その下には「環境主義者の皆さんありがとう!」と書かれているのですが、スウェーデン語で「環境」のことを「miljö」というのですが、「百万長者」を意味する「miljonärer」とかけて、「環境の気持ちを持った人々」のような造語にしているのかなあと思います。違ってるかな?!
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ターニングポイント(2)/Turning point vol.2

 「高見さんに聞く」の第二弾です。もう1つのターニングポイント、環境について書いてみます。
 スウェーデンが先進的な環境政策を持っていることは有名ですが、周りのスウェーデン人の生活ぶりを見ていると、環境意識の高さについては日本人と大して変わらないのではと思うこともしばしばあります。特に節電などの「もったいない」意識は日本人の方が上ではないかと感じます。その辺の環境意識の違いを高見さんに聞いてみたのですけれども、高見さんも日本人の環境意識はそれほど低くはないと感じておられるようです。しかし、特に温暖化ガスの削減においては、なぜこれほど両国で差がついてしまったのかというと、やはり環境税制の差だと高見さんは語っていました。
 スウェーデンで温暖化ガス削減に効果をあげているのが「二酸化炭素税」といわれています。これは1991年から施行された税制で、主にガソリンなどの化石燃料に課される税です。ここでは詳しくかけませんが、ここ(→リンク)を見ていくと炭素税の概要が書かれています。京都議定書の日本の削減目標は-6%(1990年比)ですが、既に2006年には90年比約6%も逆に増加しているそうですから-12%を達成しなければなりません。高見さんによるとスウェーデンでは90年比で-9%になっているそうで、仮に炭素税が導入されていなかったら20%程度増加していただろうとの推測もあるそうです。それくらい炭素税が二酸化炭素排出削減に果たした役割が大きいというわけです。
 スウェーデン人がいくら環境意識が高いといっても、目の前に「環境に優しいが値段の高い商品」と、「値段は安いが環境への配慮がない商品」が並んでいた場合には、8割方の人は値段の安い方を選ぶ傾向があるそうです。やはり、いくら意識が高いといっても、人間の経済観念には勝てないのですね。その意味でも、環境に優しくないものには政策的に値段を上げていくという方法以外に、現実に効果をあげられるやり方はないのかもしれませんね。ここでも誘導政策が上手いのがスウェーデンのやり方なのだと高見さんは語っておられました。日本とスウェーデンの二酸化炭素削減の明暗を分けたターニングポイントは、1991年だったのかもしれませんね。日本が本気で京都議定書の目標を達成しようとするなら、スウェーデンの経験から見ても、環境税制以外にないのではないでしょうか。
 しかし、新税などとというと産業界はもちろん一般市民からの反発が予想されるでしょうが、スウェーデンの考え方で面白いのは、炭素税創設は所得税減税とセットで行われたことです。炭素税を導入する代わり所得税減税を行うという税制中立の考え方です。なので、化石燃料を使わない生活を送っている人にとっては、所得税が減る分は実質減税なのです。したがって、この炭素税は目的税ではなく所得税と同じ一般税です。僕にとってはこのやり方が興味深いです。日本で環境税が語られる際には、目的税(増税?)として議論されることが多いですから。かならずしも環境税導入=家計の負担増とも言い切れないのです。産業面でも法人税の減税など他で減税効果がある方法をとれば、プラスマイナス0になるのではないかと素人考えながら思ってしまいます。
 長くなりますが最後にもう1つ。石油資源を持たないスウェーデンでの環境政策、その背景には中東が持つ石油に依存しないという戦略的な考え方(アメリカにも多分に同様の流れがあるようです)があります。例えば、オイルショック後から地域暖房を積極的に整備してきたのもその流れのようです。また、環境技術を環境ビジネスに結びつけようとするしたたかな考え方もあり、こちらも見逃せない部分なのです。
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※環境税制のことについては、Yoshiさんも詳しく書かれています。→ココココ
※産業界の反対意見もよく見ておかないとですね。→経団連の反対意見

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SEKAB事件/SEKAB-affaren

 スウェーデンでは地方新聞が発達していて、コミューン(市)やレーン(県)単位のローカルなニュースを中心に報道されてるのは書きこみました。これが市民の自治意識を高めたり、行政を監視していく上で本当に重要な役割を果たしているなあと常々感じています。改めてそのことを感じさせる出来事がありました。
 実は最近、シェレフテオの地方紙でスキャンダル的に報じられているニュースがあります。「SEKAB事件」と名前が付けられている事件です。どんな内容かといいますと、かなり複雑な話なので簡単に書いてみます。以前にシェレフテオのエネルギー政策について書いたときに触れたのですが(→リンク)、シェレフテオ市やウメオ市などの自治体と民間企業などが出資して、木質のセルロースからエタノールを製造するというプロジェクトが進められています。その進行に当たっては、自治体と民間企業が出資して設立したSEKABという会社組織がエタノールの製造を行っています。しかし、現段階では木からのエタノール製造は採算ベースに乗せることが技術的に難しいようで、ブラジルなどから輸入しているサトウキビが原料の大部分を占めているそうです。そのため、原料調達などのためだと思うのですがアフリカなどに投資をしているようなのです。しかし、その資金源はというと、出資者からの出資金や借入金なのだそうです。シェレフテオ市でも市の100%出資のシェレフテオクラフト社というエネルギー会社がその出資者になっているのですが、市の執行部が把握してないうちにSEKAB社への追加融資等が行われていたようなのです。シェレフテオクラフト社は元をたどれば市民の税金をもとに設立された会社で、間接的には100%市民が所有していることになるわけで、税金が市の目の届かないところでSEKAB社に流れていて、そのSEKAB社の先行きも思わしくないとなれば、税金が泡と消えてしまう可能性もあるわけなのです。シェレフテオクラフト社から出資、融資されたお金は日本円にして約10億円。シェレフテオ市民にとっては、かなりの金額になるわけです。そのあたりの事実関係が地方紙によって詳しく調査・報道されたり、関係者を集めてテレビ討論会も開いたりしているのです。
 税金から出たお金が戻ってこなくなるのか、手続きは適正だったのかということも大問題なのですが、セルロースからのエタノール製造の先行きも不透明だというのも、あまりいいニュースではありませんね。パルプ工場から排出される黒液から製造するメタノールの方がコスト的に有利なのではないかという話もあるようです。脱化石燃料を目指しているものの、代替燃料の先行きというのはわからないものですね。エタノール製造にしても食糧問題と競合してきますし、価格高騰の問題もありますしね。やはり色々な選択肢を平行して進めていかないとリスクがあるのかもしれませんねえ。今日はちょっと難しい話でした。

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エネルギー政策/Energy policy

 先日、シェレフテオ市役所の環境政策の担当の方と話す機会がありました。日本の自治体と違うなあと思うのは、スウェーデンでは自治体がエネルギー政策を担当していることです。スウェーデンは寒冷な気候なので、寒い冬に住民を凍えさせないよう地域暖房などのシステムを構築したり、発電などのエネルギー政策に積極的に市が関与しているのです。
 1992年にリオ・デジャネイロで開催された地球サミットでは、「アジェンダ21」という行動計画が採択され、その後スウェーデンの全自治体で地方版の「アジェンダ21」が策定されたのは有名な話なのですが、これ以外にも、自治体は独自の「エネルギー計画」を持っています。また、環境担当の職員以外でも、エネルギー問題に対する関心は高いのには驚きますね。フィーカの時にも、「日本にはどれくらい原子力発電所があるのか」とか、「どのような発電方法をとっているのか」などと尋ねられることがよくあります。このように、進んだ環境政策・エネルギー政策を持っているため、それを学ぶためにヨーロッパの各国からシェレフテオ市にも視察の依頼があると聞きました。
 また、スウェーデンは国を挙げて「脱化石燃料」を目指した取り組みを行っていることは以前にも書きました(→リンク)。暖房における燃料では、着実に「脱化石燃料」を実現しつつあるスウェーデンですが、問題は自動車などの運輸部門なのです。いかに石油以外の燃料で自動車を走らせるかというのがこれからの課題です。その中でも有力視されているバイオ燃料の研究では、実は、北部スウェーデンは世界でも先端的な地域です。自治体や国、大学、民間企業で構成されるバイオ・フューエル・リージョン(→リンク)というNPOがあり、バイオ燃料の共同研究や資金調達をしています。もちろん、シェレフテオ市もこの組織に参加しています。
 環境政策の担当の方に、シェレフテオの将来的なバイオ燃料活用の方向性を尋ねてみました。ここは森林が豊富な地域なので、木を活用したバイオ燃料研究が盛んですが、どんな技術が将来的に優勢となるのかが不透明なので、いくつかの燃料を平行して利用を進め、脱化石化を目指しているのだそうです。

1 木のセルロースを使ったバイオエタノール参照)→自動車燃料用
2 生ごみをメタン発酵させたバイオガス参照)→自動車燃料用
3 製紙工場から出る黒液(ブラックリカー)を利用して作るメタノール(参照)→自動車燃料用
4 製材所からのおがくずや、低質材から作るペレット参照)→暖房用

 したがって、公用車も低公害車が何台もあります。バイオガス車、エタノール車、ハイブリッドカー・・・。ガソリンの代わりにバイオ燃料で走るハイブリッドエンジンができればいいねという話で盛り上がりました。(すでに開発されているのかな?)

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