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強い経済、強い財政、強い社会保障

 菅総理が就任会見で話した「強い経済、強い財政、強い社会保障」というスローガン。これを耳にしたときには、「あっ、これってスウェーデン的だなぁ」と思った。このスローガンの生みの親とされているのは、神野直彦氏だそうだが、神野氏と言えばスウェーデンを一つの理想のモデルとする学者である。しかし、このスローガンには賛否両論があり、反論も多く見かける。ここなどは典型的な例で、強い社会保障を実現するのは、強い経済+強い財政が前提であり本末転倒だというような論調が多い。この手の論者の主張は、経済成長→社会保障というストーリー。

 僕が以前に呼んだ神野氏の著書で見かけたのは、産業構造の転換期である現代において、イノベーションを生み出したり、産業構造を変えていくためにはセイフティーネットの構築が前提であるとの持論である。例え話にでてくるのは、空中ブランコと安全ネットの話。詳しくは、神野氏がラジオで話したというこちら(→リンク)の内容に出てくるが、人間は失敗したら死ぬと思ったら敢えてチャレンジをする人は少なく、安全な範囲内でしかやらなくなるためイノベーションも生まれにくいということである。神野氏はいわば、社会保障→経済成長というストーリーを主張する。

 では、スウェーデンの過去を見ると、経済成長が著しかった60年代、70年代ころから労働力の確保という理由から女性の社会進出が進み、職を持つ ためにネックとなる育児や介護の分野を公共が担うようになり、結果としてその公共(福祉)分野でもまた女性が多く雇用され、納税者も増えて財政基盤も安定したというようなストーリーだと言えるのだから、先の反論のような経済成長が先で社会保障は後ということも言えないのではないか。社会保障がなければ、女性の社会進出もなかったかもしれないし・・・。(雇用があることは前提条件かもしれないが・・・。)
 近年では、公共による職業教育を促進して情報通信分野などに人材を振り向け、産業構造の変革をなし得たというストーリーがあるでしょう。

 どちらにせよ菅総理の考えでは、経済・財政・社会保障を一体で実現させると言っている。医療や介護分野での雇用創出も期待できるし、再チャレンジのための職業教育なども成し得ない話ではないと思う。

 僕がスウェーデンに行って間もないころ、シェレフテオの産業振興部の同僚たちが話していた「スウェーデンでは産業振興と福祉の充実が、社会の両輪なんだ」というフレーズをいま改めて思い出す。

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