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2010年6月

ファニーの旅日記より(その1)

先日、秩父を訪れたスウェーデンの剣道家の中に、ファニーという女の子が一人いました。彼女はスウェーデンの剣道のナショナルチームに所属していて、19歳という若さながら腕前はなかなかのものなのです。

彼女が書いた旅日記(→リンク)が公開されていたので、見てみると秩父を訪問したことも書かれていました。3日間、秩父で剣道の稽古をしたり、観光をしたりしていたので、スウェーデン人の目線で見た秩父が書かれています。原文はスウェーデン語でしたが、苦心しながら和訳してみました。

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6月10日 木曜日 秩父(1日目)

その日は朝早くに(東京の)旅館をチェックアウトすることから始まった。それは秩父へ行く電車に乗るためだった。

電車の駅では…日本人、日本人、そしてまた日本人。東京にいるすべての人がその駅のプラットホームに立っていたに違いない。今日だけでストレスが溜まってしまった(病)。

それにもかかわらず秩父は世界で一番居心地の良い街。周りの景色がとても素晴らしく、山々が色々な種類の緑の木々に覆われ美しい。

私たちのガイド(=kinta)は車を運転して、一日中色々な観光スポットを見せてくれた。特に、お寺、ワイン工場、骨董品店、二百年以上前の古い剣道の道場。私たちの剣道魂がくすぐられた。骨董品店に寄った時は、マグヌスはまるで天国にでもいるかのように気に入ってしまい、私たちは店を出ることができなかった。その間に美術ギャラリーを見せてもらったが、マグヌスはひとりで1300年代の物で450万円の価値があるという「なぎなた」を見に行っていた。

それから、人が食べられるものの中で一番不味いと思われる「こんにゃく」というものをご馳走になった。「こんにゃく」はノーカロリーで甘いたれがかかっていて、一見、灰色をしたゼリーのようだった。口に入れてみると「こんにゃく」はグミのような硬さで、ちょっと変な味がした。ガイドは「きっとこれを忘れることはできないでしょう」、そして「好きなだけ食べていいよ、僕がおごるから」(1人200円で食べ放題なので)と言った。彼はシェレフテオに住んでいるときにシュールストロミング(世界一臭いといわれる発酵ニシン)を振舞われているので、そのリベンジの一種のようだ。しかし、我々もスヌース(北欧独特の嗅ぎタバコ)で反撃して、ぎゃふんと言わせた。

その夜は、お酒を飲みたいのを我慢して、最初の稽古に荒川剣道場に出かけた。私たちの訪問への関心が高いとは思っていたが、これほどとは想像していなかった。国営放送(NHK)のカメラマンが来て我々を撮影していたし、地方新聞の記者が来てインタビューを受けたが、これは秩父の剣道の評判がヨーロッパまで届いたのかという驚きもあったのだろう。1時間半の「みとり稽古」で子供たちの素晴らしい練習を見た後、いよいよ我々の出番となった。我々が道場の先生側(まだ私たちは役不足ではあるが)に立ち、彼らは私たちに対面するように列を作った。最初に小さな子供、それから初級者、中学生、先生方と稽古をした。我々は皆、休憩なしで1時間半の稽古をした。とても良い機会だった。皆が、この稽古がこれまでの旅行の中で一番楽しい稽古だったと言っていた。2リットル以上の汗をかいた後、秩父とは多方面での交流、特に剣道での交流を続ける基礎が築けたと思った。

明日は秩父市長との面会が待っているので、帰ってお風呂に入ろう。 -------------------------------------------------------------

やっぱりコンニャクは外国人は苦手なんですね。みんな、2・3口だけかじっただけでした。きっと思い出に残ったことでしょう。
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強い経済、強い財政、強い社会保障

 菅総理が就任会見で話した「強い経済、強い財政、強い社会保障」というスローガン。これを耳にしたときには、「あっ、これってスウェーデン的だなぁ」と思った。このスローガンの生みの親とされているのは、神野直彦氏だそうだが、神野氏と言えばスウェーデンを一つの理想のモデルとする学者である。しかし、このスローガンには賛否両論があり、反論も多く見かける。ここなどは典型的な例で、強い社会保障を実現するのは、強い経済+強い財政が前提であり本末転倒だというような論調が多い。この手の論者の主張は、経済成長→社会保障というストーリー。

 僕が以前に呼んだ神野氏の著書で見かけたのは、産業構造の転換期である現代において、イノベーションを生み出したり、産業構造を変えていくためにはセイフティーネットの構築が前提であるとの持論である。例え話にでてくるのは、空中ブランコと安全ネットの話。詳しくは、神野氏がラジオで話したというこちら(→リンク)の内容に出てくるが、人間は失敗したら死ぬと思ったら敢えてチャレンジをする人は少なく、安全な範囲内でしかやらなくなるためイノベーションも生まれにくいということである。神野氏はいわば、社会保障→経済成長というストーリーを主張する。

 では、スウェーデンの過去を見ると、経済成長が著しかった60年代、70年代ころから労働力の確保という理由から女性の社会進出が進み、職を持つ ためにネックとなる育児や介護の分野を公共が担うようになり、結果としてその公共(福祉)分野でもまた女性が多く雇用され、納税者も増えて財政基盤も安定したというようなストーリーだと言えるのだから、先の反論のような経済成長が先で社会保障は後ということも言えないのではないか。社会保障がなければ、女性の社会進出もなかったかもしれないし・・・。(雇用があることは前提条件かもしれないが・・・。)
 近年では、公共による職業教育を促進して情報通信分野などに人材を振り向け、産業構造の変革をなし得たというストーリーがあるでしょう。

 どちらにせよ菅総理の考えでは、経済・財政・社会保障を一体で実現させると言っている。医療や介護分野での雇用創出も期待できるし、再チャレンジのための職業教育なども成し得ない話ではないと思う。

 僕がスウェーデンに行って間もないころ、シェレフテオの産業振興部の同僚たちが話していた「スウェーデンでは産業振興と福祉の充実が、社会の両輪なんだ」というフレーズをいま改めて思い出す。

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ヴィクトリア王女結婚記念チョコ

 スウェーデンの剣道家からもらったお土産に、「ヴィクトリア王女の結婚記念チョコレート」がありました。今週の土曜日、6月19日にスウェーデン王室の王女・ヴィクトリアさん(31)が8年来の恋人ダニエルさん(35)と結婚するのだとか。ダニエルさんはジムのオーナーなのだとか。とにかく、おめでたいことです。日本のイケアでも何かお祝いプレセントがあるようですね。
 一見高級そうなこのチョコの箱の外側には、王女とダニエルさんの写真が印刷してあります。さて、箱を開けてみると・・・チョコレートよりずっとずっと目立つ、王女と婚約者の大きな2ショット写真が。まあ、このくらい派手な方がいいでしょう。
 この結婚式には、日本の皇太子も参列するらしいですね。皇太子のスウェーデン訪問は初めてなのだとか。雅子さんが行けないのは残念です。スウェーデン王室では、男女にかかわらず、年長の子供が王位継承するという法律になったそうですね。(→ウィキペディア
 あ、ちなみにこのチョコレートの味の方は・・・すごい美味しいというわけでもなく、まあ普通ですかね。物珍しさ半分で、職場の人たちで既に全部食べてしまいましたが。
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スウェーデンの剣道家/Swedish Kendo Players

 生活に追われて時間がなかったり、ネタもなかったりでブログの方はだいぶサボってましたが、なんとかやってます(笑)。コメントいただいていた皆さま、レスもしなくて申し訳ありません。
 久しぶりにブログに載せるネタができました。実は、6月10~12日までの日程で、シェレフテオにある神武館道場(→リンク)から剣道家7人が秩父に来ていました。シェレフテオつながりで、3日間の滞在中、僕がアテンドをしていたのですが、なかなか面白い経験ができました。来日した7人のメンバーのうち、2人は現役のスウェーデン代表メンバー、3人は元代表経験者というキャリアを持つ人たちでした。
 秩父では、地元の3か所の剣道クラブで交流稽古をしたのですが、彼らも汗びっしょりになりながら子どもたちや先生方と稽古をしていました。スウェーデンの剣道のレベルというのは良く知らないのですが、一緒に稽古をした日本人の先生方によると、「外国人の剣道家というととかく腕力に頼った剣道をする人が多いなかで、スウェーデンの剣道は基礎がしっかりしていてなかなかのものだ」との評もありました。さすが、スウェーデン代表レベルとだけあって、強いのでしょう。体格が良いので、防具をつけるとすごみが増して、まさに見上げるようです。僕は剣道の経験ナシなので、通訳してといわれても剣道用語がわからなかったりして、苦労した場面も多々・・・。でも、柔道同様に剣道も用語はそのまま日本語なので、英語やスウェーデン語でなくても、剣道家どうしで理解できてしまうのですね。
 そうそう、NHKの首都圏ニュースでも放映されました。動画付きです。僕もちらっと映ってしまってます。どうぞご覧ください。
http://www.nhk.or.jp/saitama-news/20100611143150_01.html

 スウェーデン土産に彼らからヴェステルボッテンチーズをいただいてとても嬉しかったなぁ。あの味が懐かしいと最近思い出していたので、翌日から早速いただいています。
 それと、夜のパーティでは、「ヘーランゴー」(→リンク)を歌ってもらうようリクエストしました。スナップスの味よりも、この歌のメロディーの方が強く印象に残ってますねぇ。それにしても懐かしかった・・・。

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