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2009年5月

合併の後に起こること

 平成17年前後のいわゆる「平成の大合併」から4年が経ち、あちこちで首長選挙が行われている。もう既に選挙が終了したところも多いが、先日行く機会があったさいたま市でも、市長選挙戦の真っ最中であった。
 実は僕の街の首長選挙もそうだったのだが、全般的に見て平成の大合併を成し遂げた自治体では、現職候補者の落選率が高いのだそうだ。ある新聞の分析によると、その背後には旧地域間の対立があるのだという。合併から4年を経て、合併のメリット、デメリットを住民が次第に実感できるようになってきたのだろう。
 かつて大規模な市町村合併を成し遂げ、今では世界有数の地方分権の国となったスウェーデンではどうだったのか。本棚に埋もれた本を引っ張り出してきて読んでみた。アンネ・グスタフソンというスウェーデンの地方自治学の第一人者が書いた「スウェーデンの地方自治」という本だ。
 スウェーデンでは教育や福祉を担えるだけの自治体規模にするため、1960年頃に専門家が招集され、自治体合併のモデル地域の案が作られた。国会で議論が始まった当初は、その地域案はあくまで自発的なもので、国が強制するものではないという話だったが、あまりに合併が進まなかったため、最終的には1974年1月1日という期日までに強制的に合併をしなくてはいけなくなったのだそうだ。この時の地域割が現在のスウェーデンの自治体につながっている。その合併を終えた5年後の1979年、国が研究チームを組織し、自治体の大合併の効果検証が行われた。その中ではいくつかの点が指摘されている。要点を引用してみるとこんな感じだ。

・人口密集地と周辺の村落地域の合併によって、新たな地理的対立と社会的対立が新団体に埋め込まれてしまった。
・合併のデメリットのいくつかは現実とならなかったが、メリットの多くは達成することが容易ではない。
・合併後の団体のサービスは成功したが、サービスを受ける場所まで行くのには車を持っていることが大前提である。(区域が広がったので)
・合併により議員数が減り、住民は議員との接触が減った。要望も議員を通してするよりも、行政職員や地域の活動団体に要求を向ける傾向が増えた。

 これは今から30年も前の、ヨーロッパの北の国で行われた市町村合併の成果であるが、これを見ていると、僕らにも思い当たるフシがなくもない。合併のやり方は違えど、デメリットは似たようなところなのだろうか。合併した効果が本当に出てくるのには、もっと時間がかかるということなのだろうか。

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