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テレ朝スウェーデン特集(その4)

引き続きスーパーモーニングのスウェーデン特集の3日目のあらすじ。

3日目(2月6日) ~全員が働く社会の果実~

 日本の一人当たりGDPはかつての3位から19位まで落ちた。それに比べ、スウェーデンは7位と高い位置にいる。高福祉高負担の国でなぜ経済的に競争力を保てるのか。そのキーワードは「完全雇用」だという。
 玉川レポーターは、ストックホルムに住むスウェーデン人男性と日本人女性の夫婦の家庭を訪問。レポーターのスウェーデンは暮らしやすいかとの質問に夫人は「子供がある家族としては恵まれている。」と答える。スウェーデンでは最長16か月の育児休暇、13か月は給料の最高8割が給付されるという。続けて、「なぜスウェーデンでは手厚い育児休暇があると考えていますか?」との質問に、「女性の労働力だと思う。大きな国ではないし、税金を納める人間の頭数として労働できる人間を増やす。女性の労働力に期待しているのだと思う」と答える。経済のために女性にも働いてもらうという考えが育児休暇の根底に流れている。そのために、女性の社会進出に障害になることは徹底して取り除く、それがスウェーデン流だ。最低60日間は男性が休業取得しているが、これも女性が働くための誘導政策。
 レポーターはエリクソン本社を訪問する。スウェーデンでは企業が社員に払う給与の33%を給与とは別に社会保障税として国に支払っている。それが育児休暇中の休業補償の財源となっている。エリクソンの人事担当役員も「スウェーデンは小さな国なので、産業を成功させるためには男性も女性も全国民の力が必要なのだ」という。「そのためにしっかりした子どものデイケア・システムや両親が働けるための援助制度を作り上げたのです。
 国会議事堂にも議員のための託児所がある。子連れで国会に出勤し、託児所を利用するのだという。国会議員に占める女性の割合は日本では12%だが、スウェーデンでは47%だという。
 スウェーデンの労働者は、病気失業中であっても1年間は失業中でも80%の疾病手当を受けられ、550日までは75%が受けられるという。一刻も早く仕事に復帰させるという国の考えなのだそうだ。次の就職への職業訓練も公費から支出され、社会全体の雇用を促進している。玉川レポーターは、労働市場大臣のスヴェン・オット・リトリーン氏にインタビューする。「スウェーデンでは失業や子育てに手厚い雇用対策、手当対策があるが、それは国とってどのようなメリットがあるか」と尋ねた。すると、「私たちは国民全員が働くことが大事だと考えています。より多くの人が仕事を持てば経済的にも安定するのです。」と答えた。人権意識からの男女平等という考え方もあるが、国の経済発展の目的のために男女問わず全員に働いてもらおうという考え方なのだ。
 玉川レポーターは、スタジオのフリップで最後にまとめる。子育て支援→労働力アップ→完全雇用→税収アップ→財政健全化につながり、結果的に少子化防止の効果がある。また、保育・介護・教育分野はマンパワーが必要な仕事なので、雇用創出になる→消費増→経済成長に寄与する。保育・介護・教育分野での雇用は、都会に限らず田舎にも必要な究極の内需なので、地方衰退の防止につながるという。
 そして、ゲスト出演者からの「スウェーデンと日本では何が一番違うか」との質問には、「政治行政への信頼だと」玉川レポーターは答えた。スタジオでは、国の規模の違いや、社会の基礎的な違いはあっても、スウェーデンから今の日本が学べることがあるはずだという雰囲気で番組をしめくくった。
 多くの人が指摘するが、政治・行政への信頼度の違いは両国で大きい。社会の根っこのところで違うのだから、スウェーデン流の福祉社会を築くのは時間もかかるし、容易ではないのだろうと僕も思う。しかし、今は土壌改良をして、将来の社会改革の芽がでるのを促すのが一番良いのだろうと思う。といっても、スウェーデン以上の超高齢社会の日本にはそれほど残された時間はないのだから、責任を持てる政党がしっかりビジョンを示して、消費税引き上げをやりとげなければいけないのでしょう。

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コメント

お久しぶりです!!
日本でのスウェーデンの情報を知ることができて嬉しいかぎりです。細かい情報まで載せていただけるとはさすがkintaさんですね!

投稿: Mari | 2009年2月12日 (木) 03時02分

Mariさん

お久しぶりです。
ただのスウェーデンかぶれの暇人ですから。スウェーデンがいい方向で取り上げられると、なんだか嬉しいですよね。

投稿: kinta | 2009年2月14日 (土) 10時24分

はじめまして。
スウェーデン歴半年のKarinといいます。
気になっていたテレ朝特集のまとめ、ありがとうございました。
興味深く読ませて頂きました。
過去記事もスウェーデンの習慣などがわかり、楽しませていただいています。

投稿: Karin | 2009年2月14日 (土) 17時14分

Kintaさん

簡潔で詳しい番組のまとめをありがとう!日本にいたらぜひ見たかった番組でした。こういう感じでスウェーデンの事が取り上げられるのがうれしいと思うと共に、沢山の人に見ていただきたかった番組でしたね。
これからも日本でのスウェーデンレポート、お願いしますね!

投稿: 順子 | 2009年2月15日 (日) 17時24分

Karinさん

はじめまして。
少しは役立ってよかったです。

Karinさんのブログ拝見しましたよ。
あそこの魚のスープはうまいですよね。ストックホルムで食べたものの中で一番口に合ったかも…。値段もお手頃ですしね。

投稿: kinta | 2009年2月15日 (日) 22時53分

順子さん

お店の方は大繁盛で大変そうですね。

この番組は3回で計1時間くらいの時間をかけて放送したので、なかなか内容が濃かったですよ。話の内容は本などにはある程度書いてある情報なんですけど、スウェーデンについて全く知らない人が見てもある程度理解できるし、内容も充実していたのではないかと思いますよ。

また日本でのスウェーデンネタを拾っていきますね。

投稿: kinta | 2009年2月15日 (日) 23時22分

素晴らしい具体的な内容ですね、大学院へ行ってスウェーデンを研究できますね。

日本の未来は果たしてどうなんでしょうか?
暗い話ですが、やはりスウェーデンは自殺者も少ないのでしょうね。

投稿: ドラ吉 | 2009年2月16日 (月) 23時46分

質問です。北欧の方は、ビルベリーを頻繁に食べることで、視力がよくなったりしてる方は多いのですか??
教えてください(●^o^●)

投稿: ベリー | 2009年2月23日 (月) 20時19分

ドラ吉さん

いえいえ、そんな立派なものではないです。

スウェーデンでは自殺率は高いと聞いてますが、暗くなる秋に多いらしいですね。詳しく調べたことはないですが・・・。


ベリーさん

ブルーベリーは森の中のそこいらじゅうに自生していますが、北欧の人が目がいいかどうかはちょっとわからないですね。意外とメガネをかけている人も多いと感じますが・・・。
以前の書き込みでもちょっと触れたことがありました。目に良い成分は、日本のブルーべリーと比べると北欧のビルベリーは高いそうですね。

http://swedenlife.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/blueberry_34c6.html

投稿: kinta | 2009年2月26日 (木) 12時28分

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