« テレ朝スウェーデン特集(その5) | トップページ | 中央公論1月号 »

経済危機(その2)/Economic Crisis vol.2

 GM傘下のサーブが経営破綻したというニュースは数日前に日本でも大きく報道されました。詳しいことはYoshiさんのブログ(→リンク)に書かれていますので触れませんが、確実に世界中の実体経済に波及しているのは明らかです。
 数週間前にシェレフテオ市の元上司(商工業振興担当)にメールを出して、スウェーデンの自治体では経済対策としてどんなことをやってるのかと質問しました。すると返事が返ってきて、国や県、市で経済対策としてやっていることがおおまかに書かれていました。
 まずこのメールを読んで感じるのが、どの国でも経済対策として打つ手はそう変わらないのだと。まず書かれていたのは、「公共事業の前倒し発注」でした。それと、来年以降の税収は厳しい予想だと前置きした上で、「自治体の経費を削って、できるだけお金を蓄えていくこと」。これは経済刺激策とは矛盾するものでしょうが、今後の税収減にそなえての自治体としての予防策でしょう。それから、「職業教育や研修への経済的な助成」。これは日本でも解雇を防ぐために雇用調整助成金のメニューとしてやっているところです。そのほかに企業の「資金不足に対する支援融資」。こう見てくと、日本もスウェーデンも経済対策としてできることは限られていて、そう変わるものではないのですね。一番違っているのはやはり日本の「定額給付金の支給」でしょう。
 日本では「派遣切り」と呼ばれる非正規労働者の解雇が問題になっていますが、スウェーデンでは労働組合が強いので大丈夫なのかと思いきや、人口7万2千のシェレフテオ市でも、失業者が1,400人規模で発生しているというのです。今後の解雇のリスクがある人は3千人にも及ぶとのことで、労働者人口の10%近くなるというのです。この数字には正直びっくりしました。日本以上に雇用動向が厳しいのではないかと心配したところです。全員雇用と高負担を基盤に成り立っているスウェーデンの福祉社会ですから、このような危機にこそ福祉国家の持続可能性が試されるのでしょう。
 情報のお返しに、日本では地域によってはプレミアム付きの地域限定商品券を発行する予定だよと紹介したのですが、クレジットカード社会のスウェーデンでは現金とか商品券といった発想はあんまりピンと来ないようなのですよね。地域通貨は現金社会の日本ならではなんでしょう。

|

« テレ朝スウェーデン特集(その5) | トップページ | 中央公論1月号 »

コメント

Hej, Kinta san

相変わらずご無沙汰です。

市営電力会社シェレフテオクラフトがバイオエタノール開発に投資していた件で、開発会社のアフリカへの投資を市に公表しなかった責任をとって、シェレフテオクラフト経営陣が総辞職したことはご存知と思いますが、数日前、Kintaさんの元ボスが、後任のシェレフテクラフトVD(社長)に就任することが決まったようでした。今月中にも職務につくようです。彼は外見、医者か学校の先生のような感じ(温和な公務員風)がするんですけれど、実際はやり手の経営者なんでしょうね。

先週は、スウェーデン中で、役員の高給や高額ボーナスが槍玉に挙がり(アメリカでもそうでしたね)、返上したり増額を見送ったりしたところがいくつかありました。スウェーデンの会社経営で、日本にはなくてちょっと面食らうシステムがStyrelseですよね。平等意識が強く(感じられ)、Class less社会が目指される一方、巨大財閥は健在で、大企業の役員ばかり同時にあちこち歴任してまわるStyrelse族のような人達がいて、直接会社の営業内容には携わらず、もっと大きな(?)見地から、経営全体を方向付けるのが役割らしいのですが、資本主義の現実を良く知らない庶民の(ひが)目には、ただ、お互いの巨額の報酬を決めっこしているだけのように見えます。
SEB銀行の経営者昇給をめぐって、所有者である大富豪Wallenbery一族のJakobが、TVインタビューに答え、世界的金融危機の影響で経営が思わしくないからといって、社長を初め経営陣を処分するスジではない、という発言をしていましたが、金融危機にみすみす陥るような経営をしていたことへの責任は全然触れず、また傘下の製造業で、数千人単位の従業員が経営不振を理由に解雇(最も厳しい処分)されていることは、まったく頭にないようでした。スウェーデンには、そういう、普通の人とは別世界に住む資本家貴族も目に見える形でいて、社会が原理的に分かりやすいかもしれませんね。日本も最近は、昔のように会社への忠誠心とか、運命共同体のような発想は薄れて、派遣切りのように、物質的というかむき出しの資本主義がはっきりしてきたようですが。

話は違いますが、
先週末、Kintaさん元ボスStureの出身地Arjeplogに行ってスキーをしてきたのですが、ホテル(コッテージ村)のレストランでrenburgareトナカイハンバーカーを頼んだら、うー、いやっと言うほどトナカイ味(臭い)で、Kintaさんがブログに書いていた話しを遅まきながら思い出しました。薄切り(細切れ)だとそれほど感じないのに、挽き肉は特別ですね。アリエプローグは、ホテルのテレビもほとんどドイツの番組ばかりで、スウェーデン国内ではメロディーフェスティヴァーレンのフィナーレだったにもかかわらず、レストランではスウェーデン語の音声は聞けませんでした。ほとんどドイツの植民地です。
そして、先週我がsambo氏が、ハノーファー近郊へ出張したのですが、急に決まって直前の飛行機手配で、ストックホルム-アムステルダム経由という大回りを余儀なくされて、帰りのハノーファーの飛行場で、朝一番(6時頃)の便に乗るのに、出発便の掲示を確認したら、10時頃発の便で、何とArvidsjaur行きというのがあって、目を疑ったそうです。知ってたら、14時間の代わりにせいぜい4時間で家に着けたのに。やっぱりArvidsjaur-Arjeplog一帯はドイツの植民地です。(ハノーファーはフォルクスワーゲンの主要地で、Arjeplogにテスト場があり、一番近い飛行場はArvidsjaur。ちなみに我が家からArvidsjaurは130km位、SKellefteåの飛行場までは60km位。)

長々失礼しました。お元気で。

投稿: Blåttbarn | 2009年3月23日 (月) 04時17分

こちらこそご無沙汰しています。

僕の元上司がシェレフテオクラフト社のCEOに就任するという話、初耳だったのでびっくりしました。ノラ紙で検索したら、その記事が出てきました。
http://norran.se/nyheter/norrochvasterbotten/article262406.ece

おまけにシェレフテオクラフト社のプレスリリースにも同じ情報が・・・。
http://www.skekraft.se/default.aspx?di=2632&nyhetsid=6170

SEKAB事件が問題になったのは1年ほど前だったかと思いますが、役員総辞職だというのも初耳でした。(↓ちなみにSEKAB事件についての書き込み)

http://swedenlife.cocolog-nifty.com/blog/2008/02/sekabsekabaffar_56c3.html

シェレフテオクラフトは、ダムやバイオマス発電施設、インターネットインフラも所有する会社ですから、かなり大規模で経営能力が問われるところでしょう。日本でも役所から出資団体の長として出向することはよくありますが、今回のケースはスキャンダルの後だけに、事後処理とか大変なのでしょう。日本から健闘を祈るしかないですね。

http://www.skekraft.se/default.aspx?di=1355&cid=9&type=U

冬のArjeplogは国際色豊かに変貌しますね。あんな小さな街なのに、ドイツへの直行便があるのですものね。確かにストックホルム経由で行くよりヨーロッパ大陸へは便利です。Blåttbarnさん宅からなら、余計に近いでしょう。韓国の自動車メーカもテストを行っているので、韓国人がかなりいたのにはびっくりしましたけど。

そうそう、私の上司は自動車テストコース運営会社の役員にもなってるんですよ。それを聞いた時に、スウェーデンの公務員って、兼業制限がゆるいんだなあと思いましたよ。民間企業と掛け持ちで仕事している人もいましたし。その辺は日本とは大違いでした。

投稿: kinta | 2009年3月24日 (火) 02時20分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« テレ朝スウェーデン特集(その5) | トップページ | 中央公論1月号 »