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ペダゴギック/Pedagogik

 また教育の話を少し。こちらの教育関係の人と話をしているときによく聞く単語があります。それは「ペダゴギック(Pedagogik)」という言葉。初めて聞いた言葉だったのでウィキペディアで調べてみると、日本語にあえて訳すとすれば「教授法」、つまり「教える技術」なのだそうです。
 スウェーデンの教育の中での問題点はいくつかあるのですが、その1つが教師の教え方の技術や、教師の質が一定ではないことなんだそうです。つまり、担当の先生の当たり外れが大きいのだそうです。教師の得意分野の違いもあるのでしょうが、良い先生に当たると熱心に教えてもらえますが、その逆だと問題集みたいのをひたすら解かされるだけであまり教えてもらえないこともあるのだとか。確かに、僕もSFIの授業の中で同じような体験をしました。ある先生はよく教えてくれるのだけれども、別の先生は練習問題を配って、わからないことは質問してねというだけで、生徒一同が「?」な状態なわけです。何のために授業に参加しているのかわからなかったりして。
 実は日本とスウェーデンの両方で教師経験があるという日本人の方の記事がインターネットに載っていたので、直接その方に電話してスウェーデンと日本の教育の違いを教えてもらいました。その方はスウェーデンの教育大学の卒業論文で、スウェーデンと日本の数学教育の違いなどを書いたところ、それが注目されて賞を受賞したそうです。その方に伺ったところ、数学の教育レベルは日本の方がはるかに高いのだというのです。日本人の小中学生がスウェーデン引っ越してきて、言葉がある程度わかるようになると、数学ではいい成績をとれることが多いのだとか。スウェーデンでは九九だとか図形だとかの基本的な数学な知識が、日本に比べて高くないそうです。ただスウェーデンで優れているのは、林業高校の話でも紹介したとおり、実際の生活に沿った問題解決法を身に付けているので、いろいろ工夫した解き方でなんとか問題を解いてしまうのだとか。日本の数学は高度だけれども、実際の生活とはかけ離れたものになってしまっているともおっしゃってました。その辺りがスウェーデンと日本の教育でお互いに学び合えるところじゃないかとも話していました。これは、シェレフテオの教育関係者の人が話していたこと、僕が感じたところとかなり一致した感想だったので、興味深かったですね。
 それから、前にも日本の授業研究の話を書いたのですけれども(→リンク)、日本流ってのは護送船団だの金太郎飴だの言われていますが、先生の質に偏りが少ないことかもしれませんね。学校の現場だけではなく、他の職場にも言えることなんでしょうが、職場内での情報共有やOJTとかは日本の方が進んでいる気がしますよ。多様性や個性を尊重するスウェーデンとは少しアプローチが違うのかもしれません。それと、スウェーデンの先生は受け持つ授業数が多いらしく、授業の準備や他の先生と意見交換をする機会もあまりないのだそうです。少人数学級の弊害でもあるのかな?スウェーデンの学級ごとの生徒数は20~30人くらいが平均的だそうですが、日本では30人~40人くらいですもんね。でも、生徒数が多くても日本の学校で教える方がやりやすいそうですよ。やっぱり学校の規律とかは日本の方が厳しいので、授業を進め易いのだとか。あとは、スウェーデンの先生は中学校でも2科目以上教えるのが普通なんだそうです。科目ごとに別の先生に習うより、なるべく同じ先生が生徒に接したほうが良いと考えられているのだとか。文化や国民性の違いもありますが、どちらにも長短あるのでしょう。考え方の違いってのは、本当に面白いものです。

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コメント

国が違えば考え方も様々ですよね。
教育に対しての考え方なんて特にその傾向が表れるかもしれません。
日本は明治維新後、資源のない国で諸外国に対抗するために教育に力を入れることを重きを置いたと聞いたことがあります。
加えて歴史教育なんかもっとその国の特徴が現われる気がします。

投稿: ドラ吉 | 2008年3月23日 (日) 22時24分

ドラ吉さん

そうですねぇ。米百俵の世界ですよね。

歴史教育も興味深いですよね。韓国の歴史教科書の日本語訳を本屋で立ち読みした記憶がありますけど、特に戦争の部分の書かれ方はかなり違っているのでしょうね。中国でもやはりそうなのでしょうか。

投稿: kinta | 2008年3月24日 (月) 07時41分

米百俵の話は小泉さんが話すまで知りませんでしたが、素晴らしい話ですよね。

中国の話が出ましたから、ちょっとお話します。よくもまぁあのような反日教育できると痛感しております。日本鬼子、小日本ってわかりますか?
中国で私は日本人が嫌いを何度言われたり、
私の部下になった彼は日本人に会ったのは私が初めてで最初は歴史教育のおかげで大変ビビッてまして話をしたら普通なので違う印象を受けたそうです。

隣国とはもっと仲良くしたいのですがね。
本当に難しい問題と思います。

その点ドイツは隣国とうまくやってますよね。

投稿: ドラ吉 | 2008年3月24日 (月) 22時53分

ドラ吉さん

日本鬼子、小日本って言葉ははじめて聞きました。中国にしろ韓国にしろ、ちょっと反日教育が行き過ぎているような気がしますよね。それが障害になっている気も・・・。

ドイツは補償金もかなり払ったようですけど、日本より戦後処理に上手く取組んだのかもしれませんね。悪い記憶は消し去れようもありませんが・・・。

投稿: kinta | 2008年3月25日 (火) 03時23分

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