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トルコ式/Turkish

 つい2週間ほど前、このアパートの隣に新しい美容院がオープンしました。店の前を通るたびに店内を見るのですが、オープンして間もないということもあり、お客が入っているのを見たことがありませんでした。特に目立つ美容院でもないのですけど、店の前の看板に「カット 250クローナ(約4,500円)」の表示が・・・。この辺りの美容院のカットの相場は、スウェーデン人美容師の店だと450クローナ(8,000円程度)なので、その値段はあまりにも魅力的で、仕事帰りにその美容院に行ってみることに。
 店に入ると男性の美容師の方が1人、どうみてもスウェーデン人ではない移民の方のようです。相変わらず、店内には客は誰もいません。他の美容院では1週間待ちというのもザラなのですが、すぐに切ってもらえるとはちょっと嬉しい。世間話をしながらカットが始まりました。彼に出身国はどこかと訪ねると、トルコから8年前にシェレフテオにやってきたのだとのこと。トルコ語の通訳をしていたというスウェーデン人のガールフレンドと一緒に住み始めたのですが、ある日突然彼女が家を出て行ってしまったというのです。そのことを恨んでいるのか、切っている間じゅうスウェーデン人女性の悪口と愚痴ばかり・・・。「ふーん」と聞いているしかないのですが、さんざんその話ばかり聞かされたので話題を変え、「いつから美容師をやっているの?」と聞いてみると、トルコで9歳のときに美容師を始めたのだと彼は言うのです。「まじか~」と思いつつも、確かに他のスウェーデンの美容師だとハサミはほとんど1種類しか使わないし、ひどい場合には大部分をバリカンで切られますが、一見怪しげなこの美容師は何種類かのハサミを使い分け、手先は意外に器用です。
 カットも終わりに近づいた頃、トルコ式のスペシャルなサービスがあるのだけれども試してみないかと聞いてくるのです。「値段はカット料金に含まれているから心配するな」とか、「シェレフテオでこのサービスをやっているのかココだけだ」とか、妙に薦めてくるので恐る恐る「とりあえず試してみるよ」と伝えました。彼は鏡の前に置いてあった大型の綿棒のような道具を取り出してきて、おもむろにライターで綿棒に火をつけました。綿の部分にはメタノールが染み込ませてあるようで、綿が巻いてあるところからは炎が・・・。燃え盛る炎を見て、「えっ、何するの?」と彼に尋ねると、「熱くないから大丈夫だから心配するな・・・」と一言。不安は募るばかり。そして、それを耳のそばに近づけてくるのです・・・ピンチ。心配になって「これは何だ?」と聞いてみると、これはトルコ式のうぶ毛処理なのだそうだ。日本の床屋さんでやるようなカミソリでの処理ではなく、耳たぶや耳の周りにその火を近づけて、炎でうぶ毛を燃やすのだとか。実際、炎が耳元に近づいてくると、「うぉ~」とびっくりするのですが、意外にも大した熱さは感じなくて、むしろ心地良い熱さが耳元に残りましたね。でも耳を焼かれなくて良かった~。
 ということで、トルコ式うぶ毛処理付きの美容院、今まで行ったシェレフテオの美容院の中ではコストパフォーマンスは最高でした。シェレフテオで一番安い美容院だと店主も言っておりました。ぜひお試しを。

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コメント

先日の食料自給率参考になりました。
私の友人の農学博士も懸念しております。
ペットボトルもそう言う事っだたのですね。
ペットボトルを集めている人を見かけておりました。

さて海外で髪の毛を切るって勇気がいりますよね、最近の旅行は短期ですから旅先で切ることはありませんが中国では公園にパイプ椅子だけの屋外散髪屋があります。床屋のおっちゃんがどこからか自転車で現れて店を開設
カットだけですが10年くらい前で100円でした。結構腕は確かな人も多いです。
ホテル内だと1000円くらい街中の床屋さんだと500円でした。いろんなところでカットしてもらいました。
なじみの床屋さんもあったのだけど今は何をしているのか思ってしまいました。

投稿: ドラ吉 | 2008年2月28日 (木) 23時36分

ストックホルムで僕が見つけた一番安い料金の散髪屋はここでした。

去年12月にきった時のブログ日記です
http://plaza.rakuten.co.jp/goikenban/diary/200712190001/

投稿: Q2000 | 2008年2月29日 (金) 02時44分

ドラ吉さん

スウェーデンの野菜と果物は自給率が低いなあと生活していて痛感しますが、穀物類が意外と高いのは僕も詳しく知らなかったです。

さすが中国、安いですね~。今はもっと高くなっているのですかね?

Q2000さん

ブログ拝見しました。あの街中でその値段とは、価格破壊ですね。よっぽど効率がいいんでしょうね、でないとやっていけなそうです。この前行ったときに無理してでも散髪してもらえばよかったです。

投稿: kinta | 2008年2月29日 (金) 06時04分

Hej, Kinta san!
やっぱりトルコ人、あなたもですか・・・
スウェーデン式散髪があまりに経済的痛みを伴うため、何度かアラビア人のファルブロール・アリ(アリ小父さん、といっても私と同世代なのだけど)のお世話になりましたが、彼もKintaさんのトルコ人とプレシース同様に、過去に一緒になったスウェーデン人女性(複数)をprata skit för mycket(けちょんけちょんにけなす)なので、とうとう嫌気がさしてしまいました。彼も腕は確かで(ドバイのヒルトンホテルで10年近くカットしていたというのは嘘じゃないと思う)、いろんなエクストラサービスをしてくれて、値段もトルコ人さんと同程度でしたが。
「女の本質は男の面倒を見ること」というか女は男の世話するために存在している、と思い込んでいる、それ意外には考えてみることもない人たちのようで、疑いもなく率直に主張されるもんだから、女・男に拘わらず自我っちゅうもんがあって、男も女も変わらず自己実現をしたいもんなんで、男は外で稼いで女は家で男や家族の面倒を見るっていう役割分担は、それを必要とする社会経済構造に呼応するもので、社会構造システムが変化して男も女も同等に外で稼ぐスウェーデンで、女は男の世話をするものという役割分担が成立しなくなっても不思議ないと思うよ、なんて議論する気が起こりません。しかし実際のところ、アラブ人やムスリムに限らず、世界はそう思い込んだ人たちが絶対的マジョリティーなのですよね、残念ながら。
当のスウェーデンでさえ、去年までjämställdhetsombudsmannenを務めていたCleas Borgström氏が「スウェーデン社会はまだまだ家父長制的風潮が強く残っている」と言っているように、男女差や役割に関する人々の思考様式というのか固定観念というのかは、ほとんどの女性が仕事をしたり求めている社会の変化に即応はしないようで、マッチョ志向や社会のトップでの男性中心性、男性支配は依然健在です。日本の場合は、男女の役割分担を変化させたくないという力関係が、社会構造変化の進行を押し止めているように思えたりしますが。
それにしても、スウェーデン人と移民とで散髪料金がこうも明らかに異なって差が縮まらないのは、いろいろな理由が挙げられるにしても、あんまり良い風潮ではないなと感じられます。くそ高いスウェーデン料金を払うのはイヤ、値段が安くても不平不満を聞かされる非スウェーデン人もうんざり、ということで日本に帰るたびに散髪することになりますが、競争が激しくて値段も抑え、休みは週1日だけ、夜遅くまで働いている日本の美容師さんたちも楽じゃないよなあと気の毒になって、髪を切るのもなかなか気が休まりません。すみません、ながながと。

投稿: Blåttbarn | 2008年3月 3日 (月) 07時24分

Blåttbarnさん

日本の美容師さんは腕も確かだし、満足度も高いですよね。できれば、スウェーデンでは美容院に行きたくないですもん。

日本から見るとはるかに男女平等と見えるスウェーデンでも、女性はまだまだ平等でないとよく言うのを耳にしますね。VUXの先生方(女性)からも、よくそのような意見を聞きます。

スウェーデンの教科書や、その類の本のにもかかれている「スウェーデンでは1960年代から女性の社会進出が進み・・・」というくだりを聞き、50年近く経っても依然としてそのような状況だということを考えると、日本ではもう一世代経たないとスウェーデンのようにはならないのでしょうかね。

投稿: kinta | 2008年3月 3日 (月) 07時58分

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