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スケボー/Skebo

 スウェーデンにはコミューン(市)が出資する法人が色々あります。地方に行けば行くほど、コミューンやその出資法人が果たす役割が大きくなる気がしますね。大都市では日本のように民間活用、地方に行くとより大きな政府になる傾向があるのでしょう。やはり、人口密度が日本に比べて格段に低い分、民間企業が参入するチャンスが少なくなるので、公的部門の役割を強化して生活に支障が出ないようにしているのでしょう。なので、前にも書いたように、北部などの人口が少ない自治体の方が社会民主党(左派)が強く、大都市では穏健党(右派)が強いという傾向に結びつくのでしょう。
 シェレフテオにはスケボー(Skebo)という公益住宅公社があります(→リンク)。あちこちのアパートに「Skebo」と書かれた看板がついているので、シェレフテオに来た当初は何の看板だろうと思っていました。正式名称はSkelleftebostäder AB(シェレフテオ住宅株式会社)といい、シェレフテオに住み始めるときには多くの人がこの会社のお世話になります。スケボーはアパートの賃貸住宅の供給・管理を行っており、エネルギー会社のシェレフテオ・クラフト社と同様に、100%コミューンの出資法人です。この会社はシェレフテオ市内に実に7,000戸もの賃貸アパート、住宅を所有しています。スウェーデンに住む人の約4割が賃貸形式の住宅に住んでいるという統計があるようですが、かなり賃貸の割合が高いような気がしますね。民間の不動産会社は賃貸住宅よりも、分譲や居住権付住宅(bostadsratt)という形式の住宅を取り扱っているケースが多いようです。土地活用のために地主が空き地にアパートを建てて、資産運用をするというケースもスウェーデンでは少ないようです。そのため、ほとんどの自治体でこのような公益住宅公社が設立されていて、住宅供給を担当しています。
 日本の公営住宅というと低所得者向けの住宅という意味合いが強いのですが、スケボーで賃貸する住宅は家賃が安いということもなく、特に所得制限はないようです。その代わりにスウェーデンには子どものいる世帯や低所得者には住宅手当が支給されるため、低額の家賃を設定しなくても問題がないのでしょう。また、家賃の決め方も独特で、日本では貸主と借主の交渉で決めるのが基本ですが、スウェーデンには借家人組合というのがあって、その組合の代表者と公益住宅公社とで家賃の交渉をするのだそうです。その辺が労働組合の役割と似た感じがあって、すごくスウェーデン的ですねぇ。その交渉で決まった家賃がその他の民間部門で運営する賃貸住宅の家賃相場にも影響してくるそうで、その仕組みが日本と違って興味深いところです。
 スウェーデンでは特に都市部を中心にアパート難の傾向があるようで、住宅供給を公的な組織が中心にやっているせいもあるのか、今ひとつ機動性には欠けている気がしますね。都市計画という意味では、小さなアパートがあちこちに乱立するということがなくていいのでしょうけど。ともかく、いい賃貸物件には100人待ちとか、考えられないようなキャンセル待ちが小さなシェレフテオの街でも発生するのは信じがたいですよね。
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コメント

20年ぶりに、子どものためにアパート探しをしました。ネットで下調べして、現地の不動産会社を回ってわかったことは、安い掘り出し物件はないということです。
 不動産会社で紹介される物件は、どれもネットで見たものばかりで、エイブル、ミニミニ、アパマンなど、どこのサイトにも同じ物件が載っているうえ、条件等によって価格相場が一定に保たれているようです。
 日本のアパート事情は、かなり情報化が進んでいるようです。

投稿: edamasama | 2008年2月13日 (水) 08時49分

edamasamaさま

そうなのですか、やはり日本でも情報化が進んでいるのですね。そうすると何件も不動産屋に足を運んで調べる価値がなくなってきますね。

こちらでもSkeboで最初に登録して、ネットで自分の好みの条件を入れると、瞬時にデータベースの中から検索ができます。また、新たに条件に合った物件が出てくるとメールで連絡がくるようになっています。ネット上で仮申し込みもできるので、いい物件には余計に希望が集中してしまうのでしょうね。ネットが整備されているおかけで、店頭に何度も足を運ぶというのは必要ないです。それと、ここではSkeboが実質的には賃貸アパート市場を独占しているようなものなので、不動産屋を回るといっても、1箇所で事足りてしまいますね。

投稿: kinta | 2008年2月13日 (水) 15時27分

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