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サービスハウス/Servicehus

 続いて訪れたのが、サービスヒュース(Servicehus)という高齢者福祉施設です。これは日本語では「ケア付き住宅」とでも言うべきもので、日本的なカテゴリーでいくと「ケアハウス」と同じものでしょう。基本的には自分の身の回りのことはだいたいできる程度の高齢者の方が住んでいるタイプの住宅です。外観は言われなければ普通のアパートとしか見えない建物です。
 訪問したときには1階にある集会室で、ここの居住者が集まってビンゴゲームが行われていました。高齢者の介護予防や痴呆防止のために、日替わりでイベントが行われているそうです。よく見るとビンゴといっても、日本のそれとは若干違いますね。集まった人たちは真剣に数字の書かれたプレートから読み上げる数字を探し、マークしていきます。ビンゴになると日用雑貨などの賞品がもらえるというルールです。
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 その後、独りでこの施設に入居している80歳前後の女性の部屋にお邪魔しました。彼女は歩行に若干の支障があり、歩行補助器を使っていました。室内はバリアフリー仕様にはなっているものの、普通のアパートとそう変わらない、2部屋+キッチン+シャワー・トイレの間取りです。1階にはレストランが完備されていて、そこで昼食と夕食は食べられるのですが、朝食だけはキッチンで自炊するとのことです。室内には緊急通報用の電話と、腕時計型の通報装置があり、1階に24時間体制で待機しているヘルパーや看護師と連絡がとれるようになっています。週に1度は医師がこの施設を巡回するのだとか。また、必要に応じて、通常の在宅介護と同様にホームヘルプサービスが利用できるのだそうです。室内の家具やインテリアは全て自前のもので、自分の使い慣れたものを持ち込むようになっています。子どもや孫、生前のご主人と一緒に撮ったポートレート写真が室内のいたるところに飾られていました。
 実は先日の新聞にも記事が載っていたのですが、ストックホルム地区では在宅でホームヘルパーに来てもらうというスタイルから、施設に入りたいと希望する高齢者が増えているとのこと。シェレフテオでも同様の傾向があり、このような施設へ入所希望の高齢者が多いのだとのこと。しかし、施設の数にも限りがあるので、何ヶ月も待たないと入れないのが現実のようです。やはり、すぐ近くに頼れる介護職員が待機しているというのは心強いのでしょう。シェレフテオでは先日紹介したSkebo(→リンク)という公益住宅公社がこの種の住宅を建設・管理しているのですが、需要に対して供給が追いついていないようです。公的福祉の進んでいるスウェーデンでも、課題は少なくないようです。
 職員の方と話をしてみると、入居者の間にも孤独感や不安感を抱く人が多いとのこと。それらを解決するために、ゲームなどのイベントを行って、入居者間の交流を図っているのだとか。親族も普通のアパートのように入居者を訪問できるのですが、近親者が近くに住んでいる人は週に何度も訪問するケースもありますが、年に1、2度しか親族が面会に来ない入居者もいるとのこと。
 このタイプの施設のほかにも、日本のカテゴリーでいう「特別養護老人ホーム」のような施設もあるのですが、ここで人生の最期を迎える入居者も現実には少なくないとのことでした。在宅介護でホームヘルパーを利用するようなスタイルの延長なのでしょうね。日本でも今後、この種の施設の需要が増えていくのでしょうか。
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コメント

現地からのレポート、参考になります。。
お部屋のインテリアがかわいらしいのと、食堂のライトがおしゃれなのは、さすがデザイン王国といった感じですね。

>入居者の間にも孤独感や不安感を抱く人が多いとのこと。
どんなに設備が充実してても、こういう課題は残るものなんですねー。

投稿: Norr | 2008年2月21日 (木) 11時51分

kintaさん
私も高齢者部門専門なのでよく施設を訪れます。ブログを読ませていただくと、当たり前ですが私の市とは少し様子が異なるように感じました。ストックのほうがもっとアクティビティが豊富に取り入れられているのでしょうか。そういう印象を受けました。ブログ、かなり興味深いのでまたアップしてください。楽しみにしています。

投稿: ☆ | 2008年2月21日 (木) 19時00分

仕事柄老人福祉施設を訪問もしますが、どこも多種多様の問題を抱えていますよね。
我々の老後はどんな国になり施策はどうなっているのか心配ですよね。
福祉先進国のスウェーデンには学ぶべきところは多いと思いますよ。

投稿: ドラ吉 | 2008年2月21日 (木) 23時40分

Norrさん

そうですね~。照明などのインテリアは一般の家庭でも職場とかでも、スウェーデンらしく良いデザインの物が多いですね。間接照明もほんとにおしゃれですよ。

☆さん

ストックホルムではもっとアクティビティが盛んなのですか?介護予防のプログラムとか、高齢者同士の交流のイベントの話も聞いたりしたのですけど、施設は別として在宅の人向けにはコミューンではあまりやってないのですよ。年金者協会などの団体がいろいろなイベントを企画してるみたいですけどね。スウェーデンは地方分権が進んでいる分、地域によって差があるのでしょうね~。

日本だと介護予防という方向に重点が移ってきていると思いますけど、スウェーデンの介護の現場では介護予防という視点はどうでしょうか?

ドラ吉さま

地方分権がこれからの鍵だという方が多いですね。その地域に最適な方法を選択できるという面では、スウェーデンは日本より自由度が高いですよ。地方分権という点では、日本はまだまだですよね。

投稿: kinta | 2008年2月22日 (金) 05時56分

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