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SEKAB事件/SEKAB-affaren

 スウェーデンでは地方新聞が発達していて、コミューン(市)やレーン(県)単位のローカルなニュースを中心に報道されてるのは書きこみました。これが市民の自治意識を高めたり、行政を監視していく上で本当に重要な役割を果たしているなあと常々感じています。改めてそのことを感じさせる出来事がありました。
 実は最近、シェレフテオの地方紙でスキャンダル的に報じられているニュースがあります。「SEKAB事件」と名前が付けられている事件です。どんな内容かといいますと、かなり複雑な話なので簡単に書いてみます。以前にシェレフテオのエネルギー政策について書いたときに触れたのですが(→リンク)、シェレフテオ市やウメオ市などの自治体と民間企業などが出資して、木質のセルロースからエタノールを製造するというプロジェクトが進められています。その進行に当たっては、自治体と民間企業が出資して設立したSEKABという会社組織がエタノールの製造を行っています。しかし、現段階では木からのエタノール製造は採算ベースに乗せることが技術的に難しいようで、ブラジルなどから輸入しているサトウキビが原料の大部分を占めているそうです。そのため、原料調達などのためだと思うのですがアフリカなどに投資をしているようなのです。しかし、その資金源はというと、出資者からの出資金や借入金なのだそうです。シェレフテオ市でも市の100%出資のシェレフテオクラフト社というエネルギー会社がその出資者になっているのですが、市の執行部が把握してないうちにSEKAB社への追加融資等が行われていたようなのです。シェレフテオクラフト社は元をたどれば市民の税金をもとに設立された会社で、間接的には100%市民が所有していることになるわけで、税金が市の目の届かないところでSEKAB社に流れていて、そのSEKAB社の先行きも思わしくないとなれば、税金が泡と消えてしまう可能性もあるわけなのです。シェレフテオクラフト社から出資、融資されたお金は日本円にして約10億円。シェレフテオ市民にとっては、かなりの金額になるわけです。そのあたりの事実関係が地方紙によって詳しく調査・報道されたり、関係者を集めてテレビ討論会も開いたりしているのです。
 税金から出たお金が戻ってこなくなるのか、手続きは適正だったのかということも大問題なのですが、セルロースからのエタノール製造の先行きも不透明だというのも、あまりいいニュースではありませんね。パルプ工場から排出される黒液から製造するメタノールの方がコスト的に有利なのではないかという話もあるようです。脱化石燃料を目指しているものの、代替燃料の先行きというのはわからないものですね。エタノール製造にしても食糧問題と競合してきますし、価格高騰の問題もありますしね。やはり色々な選択肢を平行して進めていかないとリスクがあるのかもしれませんねえ。今日はちょっと難しい話でした。

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コメント

大変興味深く読ませていただきました。脱化石燃料という観点から、世界的にバイオマスからのエタノール製造にはたくさんのお金が動いているようです。

木材からエタノールが製造できれば(採算もあえば)、木材は食糧とも競合しませんし、同面積でも縦方向に蓄積できるという観点から理想的なのですが、成分の分離が難しく、容易ではありません。

投稿: あいみ | 2008年2月14日 (木) 13時57分

なるほど~、簡単ではないのですね。

日本の方が先にこの技術を確立させるという可能性はないでしょうかね?

投稿: kinta | 2008年2月14日 (木) 15時44分

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