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合葬墓/Minneslund

 今日はスウェーデンのお墓の話を少し。日本でも少子高齢化が進み、お墓の承継者がいなくなってしまったり、管理が大変になったりするのが現実問題としてあるかと思いますが、スウェーデンは早くから少子高齢化が進んでいたため、ミンネスルンド(追憶の杜)という合葬式のお墓が一般的になっています。実はシェレフテオにも、秩父市の聖地公園のような雰囲気の場所があり、火葬場と墓地が一緒に設置されて公園のようになっています。この墓地の一角に、スウェーデン式の合葬墓(ミンネスルンド)があります。実際にそこに行ってみると、ミンネスルンドと書かれた石の看板がなければ見過ごしてしまいそうな、とてもシンプルなものです。というのも、スウェーデン式の合葬墓は、僕ら日本人が想像するような合葬墓とは若干違うのです。
 時期が冬なので雪に覆われてわかりにくいですが、墓石も何もなく、花壇のように円形に植物が植えてあるだけです。円の内側がお墓の部分です。脇には花を飾る台、ロウソクを灯す台が設置されているだけです。また、このお墓のシステムというのも独自で、火葬した骨を花壇のようになっている部分に穴を掘って散骨するのですが、散骨の日時も、散骨した位置も親族には教えてもらえず、墓地の管理職員が行うのだそうです。また、個人が特定されるものを置くのは禁止されているようで、このスウェーデン式合葬墓の特徴は「匿名性」だといわれています。死者との物的な接点というのがなくなってしまい、この墓地に埋葬されているというのはわかっても、名前が彫られているわけでも、遺骨があるわけでもなく、記憶の中にのみ留められるといった感じでしょう。それで、墓という言葉でなく、「追憶の杜」というネーミングなのでしょうかね。おそらく、日本人だと遺骨を大切に思う意識が強いと思うので、他の人と一緒にどこかわからないところに撒かれてしまうことには、少し抵抗がある人もいるでしょう。スウェーデンでは、承継者不足などの問題からだけでなく、平等意識や社会連帯意識が強いため、あえてミンネスルンドを選ぶ人も多いのだとか。
 スウェーデンでは1955年頃から議論され、1957年の埋葬法改正で匿名性の共同墓地が認められました。 そして1980年代からこのようなミンネスルンドが一般的になったそうです。今では埋葬総数の4分の1、火葬の場合には約4割もの人がミンネスルンドを選ぶのだとか。
 ミンネスルンドに見られるスウェーデン人の平等・社会連帯意識、色々な方が指摘しているのですが、これが高度に発達した公的社会福祉の根底を支えるものだといってよいのでしょう。やはり、日本ではお墓についても家族という単位が基本ですからね。これも伝統的な家族観の違いか・・・。でも、家族観の違いはあっても、お墓の承継者不足が現実問題として深刻になるでしょうから、合葬墓が日本でも増えるのは間違いないでしょうね。ここでも日本はスウェーデンと同じような道をたどるのか・・・。
 こちらに、 追手門学院大学社会学部教授の穂積京子さんのHPがあります。ミンネスルンドやスウェーデンの福祉のことが書かれており大変参考になります。ご興味のある方は是非ご参考に。(→リンク
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