« マヤ・ヒラサワ/Maia Hirasawa | トップページ | 世界最大のムース/The Worlds Largest Moose »

家族観(その2)/Family values vol.2

 また固い話ですみません。ちょっと間が空いてしまいましたが、スウェーデン的家族観の話を少し。
 日本人の家族観が変わりつつあるといっても、まだまだスウェーデン人のそれとは違うなあと感じます。というのは、日本人には伝統的な家の観念みたいのが残っていて、親孝行という美徳が色濃く残っているのかなあと思います。アジアとかヨーロッパでもカトリックの南欧などでは似たような価値観が残っていて、スウェーデンが極端なのかもしれませんが、だからこそスウェーデンでは介護の社会化が進んだのかなあと感じます。良い例が、日本では親の扶養義務が民法で規定されていますが、スウェーデンには扶養義務がありません。
 今のスウェーデンの福祉国家の考え方の基礎となったのは、1930年頃からの「国民の家(Folkhemmet)」という考え方なのだそうです。当時の社会民主党の首相ハンソン氏が提唱した考え方です。今の日本がそうであるように、その頃スウェーデンでは地方から都市への人口移動があり、核家族化が進んで家族介護が難しくなったそうです。それを解決するため「国民を大きな家族とみなし」て、政府が良き父として介護や保育など国民の面倒をみようという考え方を示したのです。それまでは日本のような家長父的な風潮がスウェーデンにもあり、介護も家庭内で行われていたのだそうです。この考え方が受け入れられたからこそ、高福祉と引き替えに税率を上げることが国民に受け入れられていったようです。1960年に4.2%で導入された売上税が80年には23%程度になったということで、約20年で5倍以上になっているのです。確かに「国民の家」という理念は、シンプルでわかりやすい考え方だけに、国民にも受け入れやすかったのかなと思いますね。日本で消費税を上げようと提唱しようとすれば、政治家も政治生命をかけるくらいの意気込みがないと口に出せないのでしょうし、どのように国民を説得するのかが難しいのしょう。そういうときに、将来に対する明確なビジョンを示すことが必要なのでしょう。そういう意味では、この理念は1つのヒントになりそうです。ただし、「国民の家」の考え方自体は古いせいもあり、今では疲弊しているとの指摘もあるようです。
 もう1つ、職場の人が言っていたのですが、スウェーデン社会の基礎は「他人を信用すること」なのだそうです。日本の場合は、親や家族は信用するけど、他人を信用する度合いは平均的に低い傾向にあるようです。「国民の家」が成功した背景には、平等志向、社会志向とか政府への信頼という、スウェーデン的な価値観も大いに影響してるんだろうなあと思います。日本人の政府への信頼って低いもんなあ。
 参考に少しデータを貼っておきました。初めのが、老親と同居しているかという質問、右上が親をどんなときにでも尊敬するかという質問、左下が他人を信頼するかという質問です。日瑞の意識の違いがわかります。
Presentationlong_version1_2

|

« マヤ・ヒラサワ/Maia Hirasawa | トップページ | 世界最大のムース/The Worlds Largest Moose »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« マヤ・ヒラサワ/Maia Hirasawa | トップページ | 世界最大のムース/The Worlds Largest Moose »