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高齢者介護(その3)/Elderly care vol.3

 これまでに家族観だとか介護観だとか、フォーマルだとかインフォーマルだとか、スウェーデンの高齢者福祉が発達してきた土壌のような部分を、少しずつ断片的なことを書いてきたつもりです。そこで、ここらで少し整理してみようかなあと思い、固い話だとつまらないので、少し例え話を書いてみることにしました。何に例えるかというのが難しいところなのですが、幸い僕のお世話になっている人たちが「公共バス」に詳しい人ばかりなので(笑)、敬意を表して「公共バス」に例えて書いてみようかと思い立ちました。といっても僕も福祉の専門家ではないので、大それたことは全く書くつもりはありませんが、本当に大雑把なことを書いてみることにします。わかりにくかったらすいません。
 そうですねえ、まず僕が今までに本などで読んだり、ここで感じた限りでは、スウェーデンの高齢者福祉は「純公営バス」のイメージかなあと思います。それはどんなバスかというと、ボディもエンジンも足回りもボルボ製で、運転手はスウェーデン人、燃料費のほとんどを公費で負担する公共バスなのかと。それと比較して、日本の介護保険導入後の高齢者福祉という「公共バス」はどんなイメージかというと、ボディはボルボ製、エンジンはメルセデス製、足回りはフォード製、運転手は日本人、燃料費の負担はというと半分は公費、もう半分は利用者組合が負担しているイメージなのかなぁと感じます。なぜボルボ製のボディかというのは、高齢者介護の理念とかサービス体系が北欧から輸入されたのだろうなあと思うのです。「在宅介護」の理念はスウェーデンの高齢者福祉の理念そのままですし、サービス体系も日本とよく似ていて、日本がそれを真似しているのだろうなあと感じるのです。メルセデス製のエンジンはというと、介護保険のモデルがドイツだったからなのですが、世界でも介護保険という制度を取り入れいている国は数える程しかなく、スウェーデンにはもちろんありません。それと、足回りのフォード製、これは市場メカニズムを利用しているというのが、アメリカの影響が大きいからです。これもスウェーデンでは、大都市では主流になりつつありつつも、まだ大部分は自治体が介護サービスを提供しているのです。
 これらのバスの運転手はというと、どちらも道を知り尽くしたプロの介護サービス提供者のわけなのですが、スウェーデンでもサービスの質は必ずしも高いというわけではないようで、逆に日本のサービス提供者の質の高さもなかなかのものだと指摘する声もあるようです。やはり、西武バス?の日本人運転手のサービスの質の高さなのでしょう。たまにはスウェーデン人の運転手が事故ちゃったりすることもあるようです。それから、バス運行にかかる燃料費(財源)の負担は、利用者からバス代を徴収するのはどちらも一緒なんですが、残りの燃料費はスウェーデンでは公費(市)で全額負担するのに対し、日本では利用者組合(保険)が半分、残りを公費(国・県・市)で負担しているわけです。
 この「公共バス」の利用状況はどんなかというと、スウェーデンではかなり定着していて、高齢者が積極的に利用するのに対し、日本では初めはバスの乗り方がわからない人が多かったので利用状況が低調だったのですが、徐々にバスの利用方法が知られてきて利用者が増えているといった状況でしょうか。今までは「おじいちゃん、バスに乗らなくても俺が送っていくよ」と息子が自家用車で送ってくれたのですが、息子が都会に引っ越してしまいバスに乗らざるを得なくなっているという側面もあるのでしょうか。スウェーデンでは、将来的に「公共バス」の利用者が増えそうで、市もどうしようかと頭を悩ませているといったところでしょう。(つづく)

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