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起業支援/Support for entrepreneur

 スウェーデンと聞くと福祉国家というイメージが真っ先に浮かんできます。確かにスウェーデンの福祉水準は国際的に見ても高いことは明らかなのですが、それと同時に「経済成長こそが福祉の糧である」という考え方がスウェーデンの根底を支える思想であるという気がします。経済と福祉が、社会の両輪であると考えているのですよね。ここシェレフテオは中小企業が多いのが産業構造の特徴なのですが、それとともにシェレフテオの人の起業精神は県都ウメオなどより旺盛なのではないかという声を地元の人々から聞くことがあります。
 先日、シェレフテオにあるウメオ大学シェレフテオキャンパスの責任者の方と話す機会があったのですが、前にも触れたことがあるんですが、産学の結びつきが非常に強いのですよね。キャンパスエリア内にもその傾向が見られます。例えば、キャンパス内には「ビジネスの種」レベルの研究などを行うスペースがあり、起業を志す人がここを借りることができ、大学の学生とコンタクトを取り学生が新しいビジネスの傾向を研究に生かしたり、優秀な人材を大学から採用したりするのに役立っています。「ビジネスの種」の目途が立つと、次は「会社設立の準備」の段階に移行します。この段階では、近くにあるビジネスセンターのスペースを借りることができ、ここで会社設立に向けた準備をします。そして次の段階は、会社設立が完了し、軌道に乗るまでの「生まれたての会社」の段階です。この段階でもビジネスセンターを間借りし、一人立ちするまでここで過ごします。その後、晴れてビジネスセンターを巣立ち、晴れて一人前の会社として独立するのです。このように、3つの段階を経て起業を行っています。それぞれの段階で大学とコンタクトを取る機会があるようで、その辺の結びつきの強さがスウェーデンの研究開発の強さの秘訣なのでしょう。
 既に独立した中小企業と大学の関係もあります。例えば、中小企業が技術開発等で大学の支援を得たいときは、大学の研究に要する費用などの半額は行政から補助金が出ているようです。そういう意味で、大学が近くにあるというのは意義はあるのですね。日本で大学誘致というと、若者の人口増→地域の活性化という文脈で語られることが多いように感じますが、研究拠点→産業の活性化という見方もあるのですね。
 ウメオ大学の本校はウメオにあるのですが、それ以外にもシェレフテオやキルナなどいくつかの街にサテライトキャンパスがあります。ここではITをつかった遠隔地教育が行われていて、本校とほぼ同内容の教育を受けられることが可能なのだそうです。ウメオの本校は、アメリカ流のキャンパスタウンで、キャンパス内に学生寮を完備し、生活と勉強を行うのだそうです。そのため、ウメオはスウェーデンでも人口急増がみられる都市の1つで、アパート建設が急ピッチで進められています。大学があるということは、色々な意味で地域の活性化を図る手段になり得るのですね。

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