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職員数/Numbers of personnel

 シェレフテオと秩父市を比較したときに、最も興味深い違いは市の職員数でしょう。公営企業を除くシェレフテオ市の職員数は7,746人、それに対し秩父市は約830人。シェレフテオには、秩父市の9倍以上の職員がいます。両市の人口は72,000人弱とほぼ同じなのにもかかわらず、これほどの違いがあります。シェレフテオでは、住民の10人に1人以上は市職員ということになります。
 おそらく、この数字だけ聞いたときには、スウェーデンって大きな政府なのだろうなあと思うかもしれません。確かにスウェーデンは日本に比べると、中央から地方までの政府全体として、大きな政府でしょう。しかし、もっとスウェーデンの状況をわかりやすく表現すると、「小さな中央政府、大きな地方政府」なのです。要するに、スウェーデンでは地方分権が進んでいて、市民生活に関連の深い仕事はかなりの部分がコミューン(市)の事務となっているのです。よい例が教育関連でしょう。幼稚園、小学校、中学校、高校まで含め、全てが市の事務です。施設運営だけでなく、教師の給料は市から支払われます。教育部門だけを比較すると、シェレフテオ3,344人に対し、秩父市は108人で、この分野だけでも3千人以上の差です。
 もう一つの大きな違いは、民営化が進んでいないことでしょう。これはスウェーデンの人口が900万人と小さく、人口密度も低いことから、企業が経営するには採算性が悪く、公で担う分野が大きいのかと思います。よい例が福祉分野でしょう。現在ではホームヘルプサービス分野などでは、民間の事業参入が可能であるにもかかわらず、シェレフテオではホームヘルパーは全て市職員となっています。このような理由で、福祉分野の職員を比較すると、シェレフテオ3076人に対し、秩父市は111人という違いが出てきます。これも大きな違いです。
 このように、教育分野と福祉分野が最も異なる分野で、この2つだけで約6,200人の差ですから、全職員数の差の大部分はこれが理由だと言ってよいでしょう。このほかにスウェーデンらしいこととしては、余暇の部門が大きいことです。スウェーデンでは「fritid」(フリーティード)といって、夏休みや週末、アフターファイブの生活を大切にします。市にもこの分野の担当があり、前にも紹介した市営のキャンプ場、海水浴場やプール、運動場やジムなどもこの余暇部門の仕事となっています。日本だと真っ先に民間委託や民営化が検討される部門でしょうね。しかし、シェレフテオでは158人の職員がこれらの事務を担当しています。
 総務などの管理部門はどうかというと、不動産管理部門を除けば、両者にそれほど大差はないでしょう。シェレフテオには不動産管理部門というのがあり、ここでは公共施設などの市有財産の管理を専門に行っています。土地だけではなく、建物の修繕だとか、利用計画もここで立案しているようです。街を歩いて観察していると、スウェーデンでは公有財産が日本に比べると多いように感じます。この分野で350人もの職員が働いているのは驚くべきことなんですが、その辺の事情があるのだろうなあと想像しています。

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