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高齢者介護(その1)/Elderly care vol.1

 コムスンの一連のニュースを見て感じたことを少し書いてみます。
 2000年に始まった日本の介護保険制度ですが、介護サービスの市場化が図られたことによって選択肢が増え、サービスの質が向上するはずだったのになかなか上手くいかないものだあと感じました。日本の制度はドイツなど欧米の国々の介護保険制度などを見習った、よくできた制度なのだそうです。しかし、運用面での成熟さという面では、これからなのかなあとも感じました。
 ちなみに、欧米のいくつかの国でも20年以上前からこの分野は市場に開放されたのですが、かなり前から数々の問題を経験ながら改善をしてきたようです。今回のケース同様に、供給する企業側が利益至上主義に走り、人員削減などのコスト削減が過度に進んだ結果、サービスの質が低下したケースも多く見られたそうです。それに加え、人口が少なく採算が見込めない地域では、民間事業者によるサービスが供給されなかったりと、市場メカニズムが上手に機能しないという問題もあります。また、市場が大企業の寡占状態になる傾向があり、地域をよく知る小規模な事業者が消えていったり、大企業に吸収されることが多いのも欧米では経験済みです。寡占状態になると、市場メカニズムを導入したはずなのに競争原理が働かず、必ずしもサービスの向上につながらなくなってしまいます。
 それでは、スウェーデンではどのようなシステムかというと、高齢者介護サービスはコミューン(市)によって提供されています。市の事務の中で最もウェイトが高いのが、高齢者介護などの福祉分野です。スウェーデンの地方分権は進んでいて、地域の実情にあった独自のサービスが提供できるのが特徴です。財源は保険料ではなく、すべて税で賄われています。そのための税源移譲が済んでおり、日本の介護保険制度のような国・県・市の負担割合というのはなく、すべて市費から支出されます。実際のサービス面では、市から民間企業に委託されるケースも増えていますが、日本の以前の措置制度に近いシステムなのでしょう。
 スウェーデンでも過去に色々な問題点を経験した結果、行政が担うべき役割として、サービスが適正に行われているかの評価など、サービス提供の責任者としての業務に力を入れているそうです。民間に丸投げしたままという危険を避けるためでしょう。また、介護オンブズマンがいて、第三者的な評価も行っています。
(つづく)

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