« 女性のパワー/Women's power | トップページ | スウェーデン的話し合い/Swedish discussion »

価値観/Values

 時々このアパートの中ですれ違う住人を見ると、高齢の夫婦のみの世帯が多いのに気づきます。その理由は、スウェーデンでは数十年前から、高齢者が子どもと同居し面倒をみてもらうという習慣がなくなり、高齢になると一戸建ての家から手のかからないアパートに移り住むというライフサイクルがあるようです。親子の同居家庭は現在では数字上はゼロに等しいとか。また、スウェーデンでは、高齢者の介護は公共サービスによって提供されるべきだと考える人が多いそうです。だからと言って、親子関係が不仲というわけではなく、スウェーデン人の価値観の変化がそうさせたのでしょう。ちなみに、スウェーデンでもかつては長男が親と同居して、老後の面倒を見るという考え方が一般的だったそうです。これは韓国や日本など儒教に影響を受けた国々では、「長男が親の老後の面倒をみるべきだ」とする価値観が今もなお残っているのと対照的なところですよね。(どちらが良いとは判断が難しいところですが・・)
 話は昨日の続きなのですが、なぜスウェーデンで女性の社会進出が進んだかという理由ですが、意外にも経済の動きと連動していたようです。1960年代は日本と同様にスウェーデンでも高度経済成長期でした。この時期には産業界や公務部門で働き手が足りず、女性の求人が急増したそうです。しかしながら、その際にネックとなるのはどの国でも親の介護と育児の2つでしょう。親の介護については、生活していくのに十分な年金制度や介護の社会化が既にその時期には進んでいたため、年老いた親たちも自立した暮らしを送っており、問題となったのは育児の問題だったそうです。そこで国のリーダーシップにより、各地に保育所が多く建てられました。それらの女性を取り巻く環境が変化してきたことにより、それまで専業主婦として家庭にいた女性が働きに出ることが可能になったのです。(その裏には男性の意識の変化があったはずです。)
 ちょっとこれを整理してみると、順番は不正確かもしれないですがこんな流れです。今日のは仮説ではなくスウェーデンの今までの歴史的な流れです。

高齢者福祉への価値観の変化 → 年金・介護制度の充実 → 高齢者の自立 → (経済成長というタイミング) → 保育環境の整備 → 女性の社会進出

 次回は、さらに遡って、スウェーデンではなぜこのような福祉制度を築くことができたかというところに焦点を当ててみたいと思います。(つづく)

|

« 女性のパワー/Women's power | トップページ | スウェーデン的話し合い/Swedish discussion »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 女性のパワー/Women's power | トップページ | スウェーデン的話し合い/Swedish discussion »